【簿記の基本】税効果会計の入門編

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目次

税効果会計

 税効果会計、と聞くとなんだか難しいことだと思ってしまいます。
 そんなあなたのために、税効果会計の入り口、入門の知識をまとめました。
 これを機に、税効果会計へ苦手意識をなくしましょう。

 

税効果会計の目的

 まずは、税効果会計を行う目的について。

 

 税効果会計とは、「法人の利益(or所得)に課される税金に関する会計処理」です。
 「税法に基づいて計算される課税所得」と、「会計基準に基づいて計算される利益」には差異があります。
 なぜかというと、両者で経費(=損金)に対する考え方が微妙に異なっているからです。また、費用と収益の認識時点などにも違いがあるためです。そのため計算方法も違ってしまいます。
 だから前者に基づいた税額と後者に基づいた税額に、差異が生じるのです。

 

 そのような差異を調整し、「当期の利益に課されるべき税額」を「当期の費用」として正しく計上するために行われるのが、「税効果会計」です。
 税効果会計を行うことによって、差異が存在するときにその額を適正に期間配分することができます。
 最終的には、「当期純利益」と「法人税等」が合理的に対応することになります。
 これが税効果会計の目的です。

 

税効果会計で使用される科目

 税効果会計で主役となる科目は2つあります。
 「繰延税金資産」と「繰延税金負債」です。
 この2つを見て、入門編の記事はおしまいです。

繰延税金資産

 「繰延税金資産」は、将来減算一時差異に法定実効税率を乗じて求めます。
 ある経理処理が、将来の法人税等の支払額を減額するような効果を持っているときに使います。
 「法人税等の前払額」と見ることもできます。
 計上するところは「資産の部」です。

 

繰延税金負債

 「繰延税金負債」は、将来加算一時差異に法定実効税率を乗じて求めます。
 ある経理処理が、将来の法人税等の支払額を増額する効果を持っているときに使います。
 「法人税等の未払額」と見ることもできます。
 計上するところは「負債の部」です。

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