【公会計】世代間公平性とは?|2つの分析指標

モノクロの天秤図 公会計

目次

世代間公平性

世代間公平性とは「将来の世代と現在の世代を比較して、負担のバランスが適切になっているか」という視点です。
指標の算定は、貸借対照表上の資産、負債及び純資産を用いて行います。
資産形成における将来世代と現世代までの負担のバランスが適切に保たれているのか、どのように推移しているのかを端的に把握することを可能にします。

 

ただし、地方債(=将来世代の負担)の発行は原則として、「将来にわたって受益の及ぶ施設の建設等の資産形成に充てることができるものであり(建設公債主義)、その償還年限も、当該地方債を財源として建設した公共施設等の耐用年数を超えないこと」とされています(地方財政法第5 条及び第5 条の2)。

 

つまり、あらかじめ「受益と負担のバランス」や「地方公共団体の財政規律」が確保されるように既に制度設計されていることにも留意しておく必要があるということです。
地方債の中には、その償還金に対して地方交付税措置が講じられているものがあり、この点にも留意が必要となります。

 

純資産比率

<算出式>

純資産の合計÷資産の合計

 

地方公共団体は、地方債の発行を通じ、将来世代と現世代の負担の配分を行っています。
貸借対照表上の純資産に着目し、負担配分を測定しようという試みです。
純資産の減少は、現世代が、将来世代にとっても利用可能であった資源を費消したことを示します。また、現世代がその便益を受けることで、負担が将来世代に先送りされたことも示しています。
純資産の増加は、将来世代が利用可能な資源を蓄積されたことを意味します。現世代分の負担が増えたと捉えることもできます。

 

したがって、貸借対照表上の純資産の変動は、将来世代と現世代との間で負担の割合が変動したことを意味しています。
ただし、純資産は「固定資産等形成分」と「余剰分(不足分)」に分類されるため、その内訳にも留意する必要があります。

 

社会資本等形成の世代間負担比率(将来世代負担比率)

<算出>

公共資産等を取得するのにどのくらい償還が必要な負債を使ったか

 

社会資本等について、将来の償還等が必要な負債による形成割合を算出することにより、社会資本等形成に係る将来世代の負担の比重を把握することができます。

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