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持続可能性(健全性)
持続可能性とは、「財政に持続可能性があるか」を判断する指標です。
換言すると「健全性」であり、「財政にどのくらい借金があるか」ということを焦点とします。
地方公共団体の財政運営に関する本質的な視点ということもできます。
地方財政健全化法においては、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率など、「健全化判断比率」による分析が行われますが、財務書類においても、持続可能性に関する有用な情報を提供することができます。
財務諸表のうち貸借対照表では、発生主義により、退職手当引当金や未払金など、地方公共団体が抱える全ての負債を補足することができます。
以下に貸借対照表をはじめ、財務諸表を活用した3つの分析指標を挙げます。
住民一人当たり負債額
<算出式>
負債÷人口(住民基本台帳より)
住民一人当たりどのくらい負債額があるかを示します。
理解しやすくなるとともに、他地方公共団体との数値比較が容易となります。
基礎的財政収支(プライマリーバランス)
<算出式>
業務活動収支(支払利息支出を除く)+投資活動収支
資金収支計算書(CF)の「業務活動収支(ただし支払利息支出を除く)」と「投資活動収支」を合算することにより、地方債等の元利償還額を除いた歳出と地方債等発行収入を除いた歳入のバランスを示す指標となります。
当該収支が均衡している場合には、経済成長率が長期金利を下回らない限り、経済規模に対する地方債等の比率は増加しないため、持続可能な財政運営であるといえます。
なお、基礎的財政収支は、国の財政分析や健全化目標にも用いられていますが、単純にそれと地方公共団体の基礎的財政収支を比較することはできません。
地方は国とは異なり、、建設公債主義等がより厳密に適用されており、自己判断で赤字公債に依存することができません。そのため、国と地方で基礎的財政収支を一概に比較すべきでないと考えられます。
債務償還可能年数
<算出式>
実質債務(地方債残高等から充当可能基金等を控除した実質的な債務)÷償還財源上限額(資金収支計算書における業務活動収支の黒字分(臨時収支分を除く))
債務を償還するためにかかる年数は何年分か、ということを示す指標です。
償還財源上限額を全て債務の償還に充当した場合に、理論的に何年で現在の債務をすべて償還できるか、を表しています。
この数字が小さければ債務償還能力が高く、この数字が大きければ債務償還能力が低いといえます。
地方公共団体の債務償還能力を把握する上で重要な視点の一つとなります。