平成29年9月29日に外国人の介護実習にかかわる通知が発出されました。
昨今の労働環境の変化を考慮すると、
社会福祉法人(以下「法人」という)において、
海外より介護職種の技能実習生や、
在留資格を持つ外国人介護福祉士を受け入れることが考えられるため、
具体的な運用に当たっての留意事項についての通知となります。
当該通知について簡単にまとめを載せておきます。
目次
1.法人が運営する施設等における介護職種の技能実習生の受入れについて
(1)基準等の遵守等
法人が運営する施設等において、介護職種の技能実習生の受入れを行う際には、以下を遵守すること。
- 「介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が定める基準等」(平成29年厚生労働省告示第320号)
- 「『介護職種について外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律施行規則に規定する特定の職種及び作業に特有の事情に鑑みて事業所管大臣が定める基準等』について」(平成29年9月29日社援発 0929 第4号、老発 0929 第2号厚生労働省社会・援護局長、老健局長連名通知)
(2)費用の支弁
法人が、介護職種の技能実習生を受け入れるにあたり、
「実習実施者」として監理団体の会員、または組合員になること等に伴い、
監理費を支出することは認められる。
ちなみに、監理団体が「実習実施者」から監理費以外を徴収することは、技能実習法において禁止されています。
留意しておく必要があります。
また、法人が、監理団体を通じることなく、「企業単独型技能実習」として
海外の現地法人、合弁企業、取引先企業の職員を
介護職種の技能実習生として受け入れることは、
法人が行う事業から生じた収益を法人外へ拠出することができないものとされていることから、
想定されない(=できない?)ものです。
(3)送出国における介護技能実習生候補者に対する支援等
法人が、介護職種の技能実習生の受入れを円滑に進めるため、
送出国の送出機関や準備機関(以下「送出機関等」という。)と連携し、
研修事業の委託や、講師の派遣等を通じて、
介護職種の技能実習生候補者の送り出しへの支援等を行うことも考えられます。
こうした支援等は、「人材育成事業」として、法人が行う公益事業の一つとして考えられます。
したがって、定款において、そのような事業を行うことの記載がない法人は、
定款変更を行う必要があります。
なお、送出機関等への出資等は、
法人が行う事業から生じた収益を法人外へ拠出することができないものとされていることから、
想定されない(=できない?)ものです。
2.法人が運営する施設等における在留資格を持つ外国人介護福祉士の受入れについて
(1)制度的位置付け
改正入管法において、日本の介護福祉士の資格を有する外国人を対象とする「介護」という在留資格が設けられました。
このため、法人が運営する施設等において、
在留資格を持つ外国人介護福祉士を受け入れることについては、
国内における介護福祉士の採用と位置付けが異なるものではない、とされました。
(2)送出国における留学生候補者に対する支援等
法人が、外国人留学生候補者の受入れや、実習に対する支援を行う場合において、
送出国の日本語学校等の教育機関等(以下「教育機関等」という。)と連携し、
留学生候補者に対する支援等を行うことも人材育成事業の一つとして考えられます。
事業の実施に当たっては、認可通知等に規定する公益事業の条件を遵守すること。
教育機関等への出資等については、法人が行う事業から生じた収益を法人外へ拠出することができないとされていることから、想定されないものであること。