支出を行ったさい、お金は出ていったけれども、どのように処理するか未だ決まっていない場合、「仮払金」を使用することがあります。
本来は決算時にすべて清算されていることが望ましいのですが、残ってしまった場合、どのようなデメリットがあるかどうか、以下に記載しました。
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課税の観点からの仮払金
もし、仮払金が役員や職員に対する出金であった場合、それが給与や貸付金ではなかったか疑われます。
職員給与であるのに仮払金処理していたとなると、源泉徴収漏れが指摘されます。給与を支払った場合は、翌月10日までに源泉所得税を納めなければなりません。
また、役員報酬だと判断された場合、事前に届け出ていた金額と違うのではないか?ということにもなります。
貸付金だとみなされてしまうと、利息をきちんと受け取っているかも確認されます。
会計処理の観点からの仮払金
仮払金は、内容が不明であったり未確定であったりする出金です。
それが決算を終えてなお残っているということは、会計処理がきちんとされていないのではないか?という疑いにつながります。
また、経費に計上すべきものを、赤字になることを避けるために仮払金にしたままであるケースも疑われ、財務諸表が実態を反映していないのではないか、という信頼性の低下を招くおそれもあります。