【法人税】法人事業税の会計処理

法人事業税 について 法人税

目次

はじめに

 

法人事業税は3つの内訳に分けることができ、それらの会計処理は2通りあります。

 

「所得割」は法人税等として処理します。

「付加価値割」と「資本割」については原則、販売費及び一般管理費(租税公課)に計上します。

 

以下に詳細を述べます。

 

所得割は所得基準

 

法人事業税のうち「所得割」というのは、企業の利益である「所得」を課税標準(税金計算の基準)として税額が計算されます。

 

ざっくり申し上げると、年間の所得に税率をかけて課税額が求められています。

 

所得割については、利益に課税する法人税と同じように「法人税等」の科目で会計処理を行います。

 

付加価値割・資本割は外形基準

 

企業が大きくなっていくと、所得だけではなく「規模」にも課税されるようになります。

 

規模が増大するにつれ、法人が地方公共団体から受ける公共サービスも大きくなると考えられ、その分多く負担するべきという思想の課税形態です。

 

外形基準が適用される以前は、所得のみを課税標準とすると、行政サービスを享受する法人の7割が法人事業税を負担しないことになっていたそうです。

 

課税される目安としては、資本金(出資金)1億円がひとつのラインです。

 

企業を外側・外見から見て課税額を決めるため、付加価値割と資本割は外形基準の事業税と言われています。

なお、景気等の状況による税収の変動が少ないと考えられています。

 

付加価値割

 

付加価値割は、基本的には企業の「単年度損益」と「収益配分額(支払った給与や利子や賃借料など)」の合計に税率をかけて算定されます。

 

企業価値に基づいて課税されるため、所得に基づく課税とは違う考え方で算定されています。

 

法人の生み出す付加価値は「生産要素に対する配分」とその残差である「単年度の損益」を加算することによって測ることができるという考え方に基づいています。

 

資本割

 

資本金等の金額に税率をかけたものが資本割として課税されます。

 

資本金等の金額は、課税所得(企業の稼ぎ)とは関連しません。

 

したがって資本割も所得に基づく課税とは違う考え方で算定されている税金です。

 

おわりに

 

おわりに法人事業税の課税標準と会計処理についてまとめます。

 

資本金(出資金)が1億円以下

→ 所得割のみ課税される

→ 法人税等に計上

 

資本金(出資金)が1億円以上

→ 所得割 + 付加価値割 + 資本割が課税される

→ 販管費法人税等に分けて計上

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