【社会福祉法人】法改正 新定款についてまとめ

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評議員定数

 理事の員数を超える数が必要です(理事の員数の下限が6名なので、評議員はそれを上回る7名が下限)。

一定規模以下の法人はH29年度4月1日から3年間は4名以上でよいとされています(「一定規模」とは平成27年の「事業活動計算書(第2号の1様式)」における「サービス活動収益」の額が4億円を超えない法人となる予定です)。

 欠員が生じたとき。退任理由が任期の満了あるいは辞任だった場合、その評議員は新しい評議員が就任するまで評議員としての権利義務を有します。

 欠員が生じ、法人に損害が生じるおそれがあるときは、所轄庁は利害関係人(評議員、役員、会計監査人、職員、債権者などのことです)の求めに応じて、一時的に評議員の職務を行う人を選任することができます。

 評議員は、出席可能な方がある程度確保されているような構成とするべきです。過半数の出席により、評議員会での決議が行われるためです。

評議員の選任・解任

 理事あるいは理事会が評議員を選任・解任することは不可です。
 定款例では、常設された評議員選任・解任委員会による選任・解任が適当とされていますが、中立性が確保されていれば他の方法によることも可能とされています。たとえば、最初の選任は評議員選任・解任委員会で行い、次回以降は現職評議員が次の評議員を選任していくという方法が考えられます。

 評議員選任・解任委員会には任期を設けることが適当とされています。招集は理事会で決定し、理事が行うことが適当とされています。

 評議員選任・解任委員会に報酬を支払うことは可能です。
 評議員選任・解任委員会の議事録は10年間保存することが適当です。
 評議員選任・解任委員は理事会で選任する方法が考えられています。

 理事や評議員は評議員選任・解任委員になることは認められません。監事や法人の職員がなることは可能です。
 評議員選任・解任委員会に理事が出席することは可能です(質疑応答のため。決議に参加はできません)。

 評議員選任・解任委員会の構成について。外部委員を1名以上入れ、3名以上が適当とされています(上限は法人判断による)。
 評議員選任・解任委員会の議題、議案の提案は理事会が決議し、理事が行う方法が考えられます。

 H28年度の現職理事が施行日(H29.4/1)に評議員に就任する場合には、施行日の前日までに理事を辞任しなければなりません(理事と評議員を兼務してはならないため)。それに伴い理事に欠員が出るときには、代わりの理事を選任しなければなりません。

評議員の任期

 評議員の任期は原則として「選任後4年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで」です。定款を書き換えることによって6年まで伸ばすことができます。

 評議員の補欠をあらかじめ選任しておくことは可能です。また、「補欠として選任された評議員の任期は、退任した評議員の任期の満了する時まで」という定款にすることも可能です。この文言を追加することで、補欠評議員の任期を他の評議員と合わせるという実務上の便宜をかなえることができます。

 H29.3.31時点在職の評議員の任期は同日で強制的に終了します。そのため、前もって選任しておいた新制度最初の評議員の任期は、H29.4.1より開始することになります。ちなみに在職評議員の任期がH29年3月半ばで満了してしまう場合には、法人運営等に支障がない(予算の承認等)ならば、多少の期間、評議員が欠けることはやむを得ないと考えられています。

評議員の報酬

 評議員の報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当のことです)は定款で定めなければなりません。
 無報酬の場合にも、その旨を定めなければなりません。
 「交通費の実費弁償分」は報酬に含まれません。なお、名称にかかわらず、実質的に報酬に該当するものは支給基準の対象とする必要があります。

 理事、監事及び評議員に対する報酬等については、厚生労働省で定めるところにより、民間業者に比べ不当に高額とならないように支給の基準を定めなければなりません。
 報酬等の支給の基準は、評議員会の承認を受けるとともに、公表しなければならないとされています。

 社会福祉法の「報酬等の支給基準の策定」に関する記述は、報酬等の支給を義務付ける趣旨ではなく、無報酬でも問題ありません。無報酬の場合でも、無報酬である旨を支給基準(報酬規程)に定めることとなります。

 理事、監事及び評議員の区分ごとの報酬等の総額(職員としての給与も含む)については、平成29年度以降の現況報告書に記載の上、公表することと定められています。

評議員の権限

 評議員会の決議事項は「法に規定する事項」及び「定款で定めた事項」に限定されます。
 たとえ軽微な定款変更であっても、評議員会の決議は必要です。

 ただし「決議の省略」を用いれば、実際に評議員会を開催する必要はありません。
 決議の省略は、書面または電磁的記録によって行われます。理事から提案された議題に対し、評議員全員が同意の意思を示したときは、可決の決議が行われたとみなされます(詳しくは後述)。

 「予算及び事業計画の承認」については、評議員会の承認を必要とするかどうかは法人の任意となります(評議員会の承認を必要としない場合には、評議員会の開催は年1回の定時評議員会のみとすることも可能となります)。

評議員が単独で行使できる権限

議題の提案権

 評議員は、理事に対して一定の事項を議題とすることを請求することができます。この請求は、評議員会の日の4週間前(定款による短縮が可能)までにしなければなりません。

議案の提案権

 評議員は、評議員会の場において、議題の範囲内で議案を提案することができます。
 議題が「役員を選任(解任)する件」でしたら、評議員が「Bを選任(解任)する」という議案の提案は可能です。
 しかし、議題が「Aを選任する件」であれば、評議員が「Bを選任する」という議案の提案をすることは、議題の範囲外であるため、不可能です。

評議員会招集権

評議員は、理事に対し、議題及び召集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができます。

その他の権限

 上記以外の評議員の単独権には下記のようなものがあります。

  • 理事の行為差止め請求
  • 役員等の法人に対する損害賠償責任の免除に対する同意
  • 理事会による責任免除についての異議
  • 会計帳簿、評議員会・理事会議事録等の閲覧等の請求

評議員会の開催

 予算承認等のために年度開始前に開催する場合には、法律上は臨時評議員会となります。
定時評議員会は備考によれば4~6月に開催することとなっているので、下記のような記載にすると運用範囲が広がります。「評議員会は、定時評議員会として毎事業年度終了後3カ月以内に1回開催するほか、(○月及び)必要がある場合に開催する。」

 評議員会の延期又は続行の決議は常にすることができます(延期又は続行を決議した場合には、招集手続きは必要ありません)。

評議員会の招集

 評議員会の招集権限は原則として理事にあります。
 評議員は、理事に対し、評議員会の目的である事項(議題)及び召集の理由を示して、評議員会の招集を請求することができます。

 「留意事項」において、所轄庁が評議員会の招集を許可しない場合として、「評議員の申立てが職権乱用と認められる場合」とは、「法人運営に重大な損害を及ぼすような重大な義務違反等がある場合に該当しないにもかかわらず、不当な動機により、又は、議題が法人の利益に適合せず、決議が成立する見込みのないことが客観的に明らかにもかかわらず、評議員会を招集しようとする場合をいいます。

 招集のさいには①評議員会の日時及び場所、②議題、③議案等を定めることが必要です。
 招集通知は評議員会の1週間前(定款によって短縮可能)までに、各評議員に対して書面で発出することが必要です。
 電磁的方法で通知する場合には、評議員の承諾が必要です。

 評議員の全員の同意があれば、招集の手続きを省略して評議員会を開催することができます。
 招集手続きの省略は「相対的記載事項」ではないため、定款に書かなくても有効となります。
 招集手続きに瑕疵があった場合には、評議員会の決議取り消しの訴えの事由の一つとなります。
 報告事項のみの場合には決議事項がないので「議題」はなくてもよいと考えられます。
 招集手続きの省略について 招集通知や添付書類等の提供は省略できますが、理事会の招集の決定自体は省略できないものと考えられます。
 決議の省略と異なり、同意書等の備置きの規定はありません。

評議員会の決議

 評議員会は、あらかじめ招集通知で定められた議題以外の事項を決議することができません。「招集通知」に記載された議題以外は決議ができないので注意が必要です。

 また、評議員会は出席が大切です。書面又は電磁的方法による議決権の行使や代理人、又は持ち回りによるものは認められません(ただし、テレビ会議や電話会議による開催は認められる場合もあります)。

 議事録について。法律上は議事録への署名は要求されていませんが、原本を明らかにし、改竄を防止する観点等から、議事録作成者が記名押印を行うことが望ましいとされています。

評議員の決議の省略

 理事から提案された議題に対し、評議員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、評議員会において可決する旨の決議があったものとみなされます。

 上記の場合、評議員会の決議があったものとみなされた日から10年間、同意の意思表示をした書面又は電磁的記録を、主たる事務所に備え置かなければならないとされています。

 なお、決議の省略は「相対的記載事項」ではないため、定款に書かなくても有効となります。評議員会への「報告の省略」も同様の手続をふみます。

評議員会の「決議の不存在もしくは無効の確認」または「取り消しの訴え」

決議の不存在もしくは無効の確認

決議の不存在の確認

 評議員会がなされた外観はあるけれども、実際にはそのような評議員会が行われていない場合や、招集手続きや決議の方法の瑕疵の程度が著しく,法律上評議員会自体の存在を認めることができない場合の訴え。

決議無効の確認

 欠格事由のある者を理事や監事に選任する決議など,評議員会の決議内容が法令に違反する場合の訴え。

期間および権限

 上記の訴えは、いつでも誰でもすることができます。

決議の取り消しの訴え

 招集手続が法令・定款に違反、または著しく不公正である/決議方法が法令・定款に違反、または著しく不公正/決議内容が定款に違反しているとき。

期間及び権限

 上記の訴えは、決議の日から3か月以内で評議員、理事、監事又は清算人が行うことができます。

評議員会の決議事項(法定事項で主なもの)

普通決議

  • 理事・監事・会計監査人の選任
  • 理事・会計監査人の解任
  • 理事・監事の報酬→定款にその額を定めていない場合に限る
  • 理事、監事及び評議員に対する報酬等の支給の基準の承認
  • 計算書類の承認
  • 社会福祉充実計画の承認及びその変更の承認
  • 理事の行為の差し止め→法人にとって回復することができない損害が生ずるおそれがあるときのみ

特別決議

  • 監事の解任
  • 理事等の責任の一部免除
  • 定款の変更
  • 事業の全部譲渡
  • 解散後の法人の継続の決定
  • 合併の承認

総評議員の同意

 役員等又は評議員の責任の(全部)免除

 ※「総評議員」とは、定款上の評議員定数や評議員の出席者全員のことではなく、評議員として現在選任されている人全員のことを指します。

評議員会の決議要件

普通決議

 議決に加わることができる評議員の過半数以上が出席し、その過半数をもって行います(「過半数」は定款により、その割合を上回る割合とすることができます)。特別の利害関係を有する評議員は、決議に加わることはできないこととされています。

特別決議

 議決に加わることができる評議員の3分の2(これを上回る割合を定めることも可能)以上の多数決をもって行います。特別の利害関係を有する評議員は、決議に加わることができません。

評議員の資格について

兼職禁止

 現職理事が施行日に評議員に就任する場合には、施行日の前日までに理事を辞任する必要があります。そのとき理事に欠員が出る場合には、代わりの理事を選ばなければなりません。

特殊関係

 A社会福祉法人の評議員にB社会福祉法人の評議員がなることは可能です。
 A社会福祉法人の評議員にB社会福祉法人の役員や職員がなることも可能です。ただし、そのような人がA社会福祉法人の評議員の過半数を占めることはできません。

 また、A社会福祉法人の評議員には、社会福祉法人でないB法人の役員や職員がなることは可能です。ただし、評議員総数の1/3を超えてはなることはできません。

必要な見識を有する者

 法人の職員であったものも評議員になれます。ただし、退職後少なくとも1年程度経過した者とすることが適当とされています。

 地域住民も評議員になれます。
 地域住民に居住地等の地域による制限はありません。

 嘱託医は雇用関係がなく、法人経営に関与しているものではないことから、評議員となることができます(非常勤の医師は雇用関係があるので不可)。

 同日かつ同じ場所で同じメンバーによる複数法人の評議員会を開催することは可能です。ただし、時間帯を区分して、それぞれ別にして開催する必要があります。

 顧問弁護士、税理士、会計士は、法人の業務を執行していなければ評議員になれます。会計監査人は評議員になることができません。

評議員会の損害賠償責任

 「理事、監事、評議員又は会計監査人は、社会福祉法人に対し、その任務を怠ったことにより生じた損害を賠償する責任を負う」とされています。
 なお、評議員には業務執行権がなく、評議員会という「会議体の構成員」としての任務を行うものであることから、個々の評議員の任務懈怠により法人に直接損害が発生するケースは少ないと考えられます。

理事、監事、会計監査人の選任・欠員について

 任期の満了又は辞任により退任した理事や監事は、新たに選任された理事や監事が就任するまでなお、理事や監事としての権利義務を有することとなっています。退任したからといって、すぐに役員としての権利や義務などが消滅するわけではありません。

 理事や監事に欠員が生じ、かつ事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるとき所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権により、「一時的に理事や監事の職務を行うべき者」を選任することができるとされています。

 また、会計監査人に欠員が生じ、次の会計監査人の選任が遅れている場合、監事は「一時的に会計監査人の職務を行うべき者」を選任しなければなりません。

理事の持つ権限

 理事長は「代表権」及び「業務執行権」を持ち、業務執行理事は「業務執行権」を持ちます(業務執行理事を設置するかは任意です)。

 監事の選任に関する議案を理事会が評議員会へ提出する場合には、監事の過半数の同意が必要です。

 会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容は、監事の過半数をもって決定しなければならないこととされています。会計監査人の選任・解任等の議案は、監事が決定します。会計監査人の任期は「選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに係る定時評議員会の終結のときまで」ですが、別段の決議がされなかったときは、当該定時評議員会において再任したものとみなされます。

理事長の権限・義務

  • 法人の内部的・対外的な業務執行権限
  • 法人の代表権
  • 理事会への報告義務

業務執行理事の権限・義務

  • 業務執行権(代表権はありません)
  • 理事会への報告義務

理事長、業務執行理事以外の理事の権限・義務

 理事会における議決権の行使等を通じて、法人の業務執行の意思決定に参画するとともに、理事長や他の理事の職務の執行を監督をすることとされております。

 理事には、「善管注意義務」、「忠実義務」のほか、法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見したときの監事への報告義務が課されています。また、「特別背任罪」や「贈収賄罪」等の罰則が設けられています。

監事の権限

 監事は、社会福祉法人の業務監査及び会計監査を行うことが職務です。
 その職務遂行のため、いつでも、理事及び当該社会福祉法人の職員に対し、事業の報告を求めたり、社会福祉法人の業務及び財産の状況を調査したりできる、とされています。

 監事は、理事が不正の行為をしたとき、もしくは不正の行為をするおそれがあると認めるとき、又は、法令・定款に違反する事実、著しく不当な事実があると認めるときは、理事に対し、理事会の招集を請求できます(請求を行った日から5日以内に、その請求をした日から2週間以内の日に理事会を開催する旨の招集通知が発せられない場合には、その請求をした監事は、理事会を招集することができる)。そしてその理事会で不正や不当について報告する義務があります。

 監事は理事会に出席する義務があります。そして必要があるときには、意見を述べなければなりません。
 監事は、理事が評議員会に提出しようとする議案、書類等を調査し、法令・定款に違反する事項や著しく不当な事項があると認めるときには、その結果を評議員会に報告しなければなりません。

 監事は一人ひとりが独立して職務を遂行すべきものなので、例えば理事会等への出席は必ず全員がしなければなりません(監事が欠席しても理事会は成立しますが、欠席の理由如何では、監事の任務懈怠を問われる場合も考えられます)。

理事、監事、会計監査人の任期

 理事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで。定款によって任期の短縮が可能。再任しても差支えありません。理事の任期を「2年」の確定期間とする定款にしてはいけません。

 監事の任期は、選任後2年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時まで。定款によって任期の短縮が可能。再任しても差支えありません。任期の起算点は「選任時」です。「就任時」ではありません。

 会計監査人の任期は、選任後1年以内に終了する会計年度のうち最終のものに関する定時評議員会の終結の時までです。なお、定時評議員会において別段の決議がされなかったときは、再任されたものとみなされます。

 理事や監事の補欠をあらかじめ選任しておくことは可能です。その場合は前任者の残った任期をそのまま任期とすることができます。

 平成29年4月1日時点で任期が有効な理事がいない場合(平成28年度中に理事の任期が切れる場合)には、平成28年度中に理事を選任(再任)しておくことが必要です。
 平成29年4月1日から定時評議員会開催(4~6月)までの間に任期が満了する役員は、再任手続等を行うことなく(改正社会福祉法の規定に基づき)、任期が定時評議員会終結の時まで延長されることとなります。

理事、監事、会計監査人の解任

 理事又は監事の解任は、下記の場合に限られます。

  • 職務上の義務に違反したとき、又は職務を怠ったとき
  • 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき

 会計監査人の解任は、以下のいずれかに該当するとき評議員会の決議によって行います。

  1. 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき
  2. 会計監査人としてふさわしくない非行があったとき
  3. 心身の故障のため、職務の執行に支障があり、又はこれに堪えないとき

 会計監査人の解任に関する議案は、理事が評議員に提出しますが、提出前に監事の過半数の賛成が必要です。
 また、上記の①から③のいずれかに該当するとき、監事全員の同意がある場合は、当該会計監査人を解任することができます。この方法を使ったときには、監事の互選によって定められた監事(の代表)が、その旨及び解任の理由を、解任後最初に招集される評議員会で報告しなければならないとされています。

理事、監事、会計監査人の報酬

 理事の報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいいます)は定款にその額を定めていないときは、評議員会の決議によって定めることとされています。

 交通費の実費分は報酬に含まれません。
 なお、名称にかかわらず、実質的に報酬に該当するものは、支給基準の対象とする必要があります。

 監事の報酬等(報酬、賞与その他の職務遂行の対価として受ける財産上の利益及び退職手当をいう)も、理事と同様に、定款にその額を定めていないときは、評議員会の決議によって定めることとされています。

 定款又は評議員会の決議によって監事の報酬総額のみが決定されているときは、具体的な配分は、監事の協議(全員一致の決定)によって定めます。また、監事は、適正な報酬を確保するため、評議員会において、監事の報酬等について意見を述べることができます。

 報酬等の支給基準の策定が求められている趣旨は、報酬等の支給を義務付けることではありませんので、無報酬でも問題ないとされています。
 無報酬にする場合は、報酬等の支給基準において、無報酬である旨を定めることになります。

 いずれにせよ、支給基準は策定しなければなりません。
 支給基準は、厚生労働省で定めるところにより、民間業者と比較して不当に高額とならないように定めなければならないとされています。

 また、支給基準は、評議員会の承認を受けるとともに、公表しなければなりません。「理事、監事及び評議員の区分ごとの報酬等の総額(職員としての給与も含む)について、平成29年度以降の現況報告書に記載の上、公表すること」と定められています。

 会計監査人の報酬等を定める場合には、監事の過半数の同意を得なければならないとされています。

理事会の権限

 法律又は定款で定める「評議員会の決議事項」以外の事項については、評議員会に諮る必要はなく、理事会のみで決議することが可能です。
 理事会の職務は大きく分けて3つです。

  • 業務執行の決定
  • 理事の職務執行の監督
  • 理事長の選定及び解職

理事会の招集

 理事会の招集権は、原則として各理事にあります。ただし、定款の定めまたは理事会の決議によって、特定の理事を「招集権者」と定めることができます。この場合でもなお、各理事は招集請求権を持ちます。

 招集通知は、理事会の日の原則として1週間(定款による短縮が可能)前までに、理事及び監事の全員に通知を発しなければならないとされています。
 通知の方法は、書面でも口頭でもよく、また、議題を通知することも必須ではありません。

 さらに、理事及び監事全員の同意があれば、招集の手続を省略して、理事会を開催することができます。「招集手続きの省略」は「相対的記載事項」ではないため、定款に書かなくても有効です。

理事会の決議

 理事の提案につき、あらかじめ理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、その提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなされます。
 理事、監事又は会計監査人が、理事及び監事の全員に対して報告すべき事項を「通知」したときは、理事会の決議の省略と同様に、当該事項の理事会への報告を省略することができることとされています。
 理事長及び業務執行理事の職務執行の報告は省略できません。

理事会の決議事項と決議要件

普通決議

 普通決議は、議決に加わることができる理事の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合はその割合)以上が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にはその割合以上)をもって行います。
 テレビ会議や電話会議等による開催は認められる場合もあります。
決議に関して特別の利害関係を有する理事は、決議に加わることはできないこととされています。
 決議事項は以下になります。

  • 法人の業務の決定
  • 理事長並びに業務執行理事の選定・解職
  • 評議員会の日時及び場所並びに議題・議案の決定
  • 重要な財産の処分及び譲受
  • 多額の借財
  • 重要な役割を担う職員の選任及び解任
  • 従たる事務所その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
  • 内部統制体制の整備
  • 理事会の決議による損害賠償責任の一部免除
  • 理事の競業及び利益相反取引をすることについての承認
  • 事業報告及び計算書類の承認
  • 事業計画書及び収支予算書の承認(これは法定事項ではありませんが、今後省令等で規定される可能性があります)

 上記中の「重要な」「多額の」等についての基準については、法上では定義されていません。

特別決議

 特別決議については、法定のものはございません。
 定款により、ある事項の決議要件を重く厳しいものにし、特別決議とすることは可能です。

理事会の議事録

 議事録に署名しなければならないのは、出席した理事及び監事が原則ですが、「出席した理事長及び監事」という定款にすることもできます。
 また、その場合においても、理事長が欠席したときは、出席した理事と監事の全員が記名押印しなければなりません。

 理事会に出席した理事であって議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定されることとされています。

 理事会の議事録は、理事会の日から「10年間」主たる事務所に備え置かなければなりません。理事会の決議を省略した場合の「理事全員が同意の意思を表示した書面又は電磁的記録」も同様に10年間の備え置きが必要です。

理事の資格について

 理事の欠格事由は評議員と同じです。
 関係行政庁の職員が社会福祉法人の役員となることは適当ではありません。社会福祉協議会にあっては可能ですが、そのような人が役員総数の5分の1を超えてはなりません。
 理事のうちには、次に掲げる者が含まれなければならないとされています。

  • 社会福祉事業の経営に関する見識を有する者
  • 当該社会福祉法人が行う事業の区域における福祉に関する事情に通じている者
  • 当該社会福祉法人が施設を設置している場合にあっては、当該施設の管理者

 理事には、理事本人を含め、その配偶者及び三親等以内の親族その他各理事と特殊の関係にある者が、理事の3分の1を超えて含まれてはならないとされています。またそのような人の上限人数は3名です。
 また、理事全員を法人の職員とすることも可能です。

監事の資格

 監事は、当該社会福祉法人の理事又は職員を兼ねることができません。
 監事には、他の各役員の配偶者又は三親等以内の親族が含まれてはならないことに加え、他の各役員と特殊の関係がある者も含まれてはなりません。
 監事には次に掲げる者が含まれなければならないとされています。

  • 社会福祉事業について見識を有する者
  • 財務管理について見識を有する者

 「財務管理について見識を有する者」とは、「公認会計士や税理士の資格を有する者が望ましい」とされていますが、「社会福祉法人、公益法人、民間企業等において財務・経理を担当した経験を有する者など、法人の経営について専門的知見を有する者等も考えられる」とされています。

 顧問弁護士、顧問税理士、顧問会計士が法人から委託を受けて記帳代行業務や税理士業務を行っている場合は監事として適当ではありませんが、法律や経営のアドバイスのみを行う契約になっているのであれば、監事に選任することは可能です。

決算理事会と定時評議員会の開催の間隔

 両役員会の開催は、最低2週間を空ける必要があります。
 これは「招集手続き」からの要請ではなく、「計算書類の備置き」からの要請です。
 「計算書類の備置き」によると、定時評議員会の2週間前の日から5年間、主たる事務所に計算書類を備え置かねばならないとされています(ちなみに、従たる事務所は3年間の備置き)。

 定時評議員は理事会から2週間空ける必要がありますが、それ以外の評議員会は1週間の間隔で大丈夫です。

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